carera

自費ベッド・住宅改修・自費車いすは「安心」を売る——自由価格商材の切り口

読み終わるまで5分

福祉用具や介護の商材には、大きく2種類あります。保険で値段が決まっているものと、事業所が自分で値段を決められるもの。自費ベッド、自費の車いす、住宅改修——このあたりは後者、いわゆる「自由価格商材」です。

自由に決められるということは、裏を返せば、値段で殴り合いになりやすいということでもあります。無料サービス、捨て値レンタル。気づけば価格競争に飲まれている。

でも、これらは本来、安さで選ばれる商材ではありません。「安心」で選ばれる商材です。しかも、商材ごとに売っている「安心」の中身がまったく違う。そこを分けて考えると、切り口が見えてきます。

自費ベッド——「認定が出なくても、使い続けられる」安心

介護ベッド(特殊寝台)を介護保険でレンタルできるのは、原則として要介護2以上です。要支援1・2、要介護1のいわゆる"軽度者"は、原則対象外。

だから、こういう相談が生まれます。「要介護2が出るか分からない。でも、ベッドはもう必要」。

保険を前提にベッドを入れて、認定が要介護1で返ってきたら、そのベッドは引き上げになります。使い始めてから取り上げられるのは、本人にも家族にもつらい。かといって、認定が出るまで(申請からおよそ1か月)待たせるのも酷です。

ここで自費レンタルなら、認定がどう転んでも使い続けられる。要介護2が出れば、そのとき保険に切り替えればいい。

つまり自費ベッドが売っているのは、「安いベッド」ではありません。「認定に振り回されない」という安心です。

住宅改修——「毎月、払い続けなくていい」安心

同じ「手すりを一本つける」でも、やり方は2つあります。福祉用具貸与でレンタルするか、住宅改修で壁に固定してしまうか。

レンタルは、使い続けるかぎり毎月お金がかかります。一方の住宅改修は、一度きりの買い切り(介護保険なら生涯20万円まで、原則1割負担)。長く使うことが見えている人なら、毎月払い続けるより、最初に付けてしまったほうが、支払いは積み上がりません。

ここで売っているのは、「工事」そのものではありません。「これ以上、毎月の負担が増えていかない」という安心です。特に、長く自宅で暮らすと決めた人にとっては、この安心はかなり大きい。

自費車いす——「必要な間だけ、さっと使える」安心

車いすも、軽度者は保険の対象外です。それに加えて、「短い期間だけ要る」という場面が、けっこうあります。退院してしばらくの間、骨折の回復期、通院のとき、法事や旅行のとき。

保険レンタルは、ケアプランへの位置づけや手続きが必要です。数週間だけ使いたい、というニーズには、正直、小回りが利かない。そういうとき、自費なら、必要なときにさっと出して、要らなくなったら返してもらえる。

だから自費車いすが売っているのは、「安い車いす」ではなく、「必要な間だけ、手続きに縛られず使える」という安心です。

ケアマネの手間まで、引き受けられるか

自由価格商材は、ケアマネの手間という面でも、見え方が変わります。

自費の短期レンタルのように、保険を通さないものは、そもそもケアマネの給付管理の事務が発生しません。負荷を増やさずに提案できる。

一方、介護保険を使う住宅改修は、少し事情が違います。保険給付なので、ケアマネには「住宅改修が必要な理由書」の作成など、それなりの事務が出ます。ここで差がつくのが、業者側の準備です。理由書を書くのはケアマネの役割ですが、その材料になる見積書や工事図面、施工前後の写真を、正確に、早く揃えておく。 それだけで、ケアマネは書類を進めやすくなります。

利用者さんには「安心」を、ケアマネには「進めやすさ」を。自由価格商材は、売り方しだいで、その両方を差し出せます。

値段ではなく、「どの安心か」で切り口を作る

こうして並べると、はっきりします。同じ自由価格商材でも、売っている「安心」は全部ちがう。自費ベッドは「認定に振り回されない」、住宅改修は「毎月払わなくていい」、車いすは「短期だけでいい」。

自由価格商材は、放っておくと値段の勝負になります。でも、目の前の人がどの不安を抱えているかを見極めて、それに合う「安心」を差し出せれば、勝負するのは値段ではなくなる。

自由に値段を決められる商材だからこそ、「いくらで出すか」より先に、「どんな安心を売るのか」を決める。それが、自由価格商材の売り方です。

(※制度の要件や限度額は自治体・改定で変わります。実務では最新を確認してください。)

訪問の記録、そろそろ手帳とExcelから卒業しませんか。

carera. は、近くの営業先を地図で探して、その場で面談を30秒で記録できる福祉営業のアプリです。個人はずっと無料。

無料ではじめる